私は仕事で年間1,000人以上の履歴書、職務経歴書を目にしてきました。
そんな中で是非面接に呼びたい!会って話がしてみたい!と思える候補者は数多くなく、「本当にこの人はうちの会社に入りたいのか?」と思えるような場面もありました。
そこで、今回は採用担当として数多く書類選考を行ってきた私が伝えたい履歴書の書き方を伝授したいと思います。
細かい書き方を指導すると言うよりは、履歴書をはじめとする選考書類を作る上での心構えをまとめてますので、これから新卒採用、中途採用に臨まれる方は是非お読み下さい。
決して損はさせません。
顔写真は最新のもので、プロカメラマンに撮影してもらう

履歴書のトップに位置する顔写真。間違いなく履歴書の印象を決定付けるものと言えます。
そんな重要な看板に皆さんはどんな写真を使用されていますか?自撮りで済ませてませんか?服装は適当じゃないですか?
意外に自撮りで済ませている方、また、服装もビシッとスーツやネクタイを着て撮影できていない方もは結構多いです。
特に中途採用で多く見られます。
ここで皆さんに質問です。「スーツをしっかりと着て写真屋で写真を撮ってきた候補者」と「とりあえず服装はそこそこに家で写真撮ってきた候補者」どちらの候補者にその求人に対してのやる気や志望度の高さを感じますか?
私は間違いなく「スーツをしっかりと着て写真屋で写真を撮ってきた候補者」により強い熱意や志望度の高さを感じます。
こんなところでも履歴書の品質の差は出ます。したがって皆さんはこんな減点をくらわないようにまずはしっかりと自分の顔写真を撮影してきましょう。そしてそれを履歴書に使用しましょう。
また、中途採用の方に多いですが、いくらプロが撮影した写真とはいえ、新卒時代の写真を使い回している候補者の方もよく目にします。
中途採用の年齢ともなると流石に新卒時と見た目が大きく変わっている場合が多いですから、再度写真屋さんに行って証明写真を撮影してきてくださいね。
手書きでなく、パソコンで作る

よく履歴書の書き方で論点となる手書き、パソコンいずれを使用して履歴書を作成するか問題。
私は「パソコンで作る」をおすすめしています。
理由は2点です。
1つ目は、採用担当者が書類が読みやすいことです。
パソコンで作った方が日本人の手書きの日本語より99%読みやすいからです。中には手書きで奇跡的に字が綺麗な方もいるでしょうが、ほぼ全ての日本人の手書きの文字はパソコンの文字に敵いません。
採用担当者は忙しくそもそも選考数が多い場合には、読みにくい書類はとてもストレスに感じます。選考数が多くない場合でも、採用業務以外の労務業務、総務業務、経理業務などマルチに色んな業務を行っているケースがほとんどでしょうから、ストレスを与えてはいけません。気持ちよく履歴書を読んでもらいたいものです。
2つ目は、候補者が書類を作成しやすいからです。
手書きで一からボールペンで履歴書を書くことに私はあまり意義を感じておりません。
もちろん手紙で相手に思いを伝える際には、「手書き」は効果的かもしれませんが、あくまで履歴書は客観的な自分の情報を志望企業に伝える書類。
あえてわざわざ手書きで頑張って記入するというよりは、正確にミスなく丁寧に書類をパソコンで作成することで思いを伝えた方がより効果的でしょう。
まとめますと、選考を受ける方も行う方もいずれの立場に立っても効率的なのは「パソコンで履歴書を作る」になります。
より効率的な選択肢と言えます。
余談:手書きの書類を求めてくる企業って…
以下は私の偏見です。
偏見ですが、それなりに理にかなっているいると思いますので、あえて記載させていただきます。
履歴書を手書きで作成することを求めてくる企業があります。
この場合は、わざわざ指定があるため、パソコンで履歴書を作るのではなく、手書きで対応する必要があります。
手書きで履歴書を作成することの意味を考えたいと思います。
おそらくですが「志望度や人柄を見たい」というのが狙いになるでしょうか。
ただ人事の私からすれば手書きでなくても、履歴書や職務経歴書の完成度を見れば、志望度や人柄は確認できると思いますし、分からなければ面接に呼んで、直接人となりを見てみれば良いのです。
つまり、「志望度や人柄を見たい」という理由だけで履歴書を手書きで作成することを求める企業は、物事の合理性を考える能力が低い企業だと思っています。
先にも述べたとおり、パソコンで履歴書を作成した方が、双方の利益になります。
これを追求できない企業はそれだけ判断軸が世間とずれている、さらに言えば、合理的な判断のできない企業と言ってもいいかもしれません。
もちろんこれは私の偏見で、ただの意見です。感想です。
もしいまエントリーしている企業が手書きの履歴書を求めてくる企業でしたら、少しその企業を俯瞰して見て、分析してみてください。
もしかすると生産性の低さが発見できるかもしれません。
以上、余談でした。
西暦で記入する!

これまたよく履歴書の書き方で論点となる西暦、和暦いずれで書類を作成するか問題。
ずばり私は「西暦で書くこと」をおすすめしております。
理由は単純で、その方が年数計算がしやすいからです。
私のような昭和産まれ世代が履歴書を和暦で書くと、昭和○○年に生まれ、平成○○年に大学を卒業し、令和○○年に入社、退社みたいな書き方をする必要があります。
このような書き方をしますと、元号が複数出てくることになり何歳で、大学卒業まで何年かかっているのか、その企業の在籍期間が非常に分かりづらいです。
このような場合に、西暦で記載されていると上記の例で挙げた期間を数えやすいです。このため、西暦で履歴書を書くことをおすすめします。
【最重要】履歴書=ビジネス文書だ!誤字脱字は絶対NG!

この記事の中で最も重要なトピックがこのトピックになります。
お忙しい方は、このトピックだけで構わないので、絶対に読んでください。
履歴書はビジネス文書です。
この考え方を忘れないでください。
履歴書はあなたが希望の会社に入社するためのプレゼン資料と捉えてください。
この資料をお客様である人事担当者や部署責任者、担当役員の方が内容を確認し、あなたの入社したいという申出に対して、「合否」を判断します。
そんな大事な資料に誤字脱字があれば、どんな印象を相手は受けるでしょうか?
「なんだこの程度の志望度なのか…」
「この程度の書類も作れないだなんて、仕事を任せても大丈夫か?」
このような印象を受けることは間違いないでしょう。
すなわり、本日のタイトル通り「履歴書を正しく作れない人は仕事ができない」のです。
※厳密には仕事ができないと思われてしまうのです。
したがって、履歴書を作成する際は、絶対に誤字脱字はしないでください!何度も何度もチェックしてください。場合によっては他人に見てもらっても構いません。
そして、文章の表現は適切か、改行は不自然でないか、フォントはどうか、文字の大きさはどうかなど、とにかく仕事ができる人間だと思われるために丁寧にこだわりを強く持って履歴書を作成してください!!
非常に手間がかかりますが、あなたが採用されたいと強く思うのなら、これくらいの手間は当然かけてください。志望度が高いとはそういうことです。
生半可な気持ちでは内定は取れないのです。
シンプルに自分の経歴(略歴)だけを書く!

最後は補足的な内容です。
履歴書と同様に企業に提出するのが、職務経歴書です。
これと混同して書類を作成しないでください。
履歴書はあくまであなたの経歴だけをシンプルに書きます。
業務内容や自己PRは職務経歴書にしっかりと書き、履歴書には学歴、職歴を正確にシンプルに書きます。
ちゃんと書類の記載内容をその役割により変えることで、採用担当者は候補者の方のことを正しく理解しやすいです。
これもまた、スマートさをアピールできる内容となりますので、しっかりと棲み分けを理解し、履歴書を作成してください。