先日、採用選考における「学歴」について記事を書き、超弱小ブログの域ではありますがそれなりにPVがあったので、採用選考シリーズとして今回は「書類選考」を取り上げます。
書類選考を日々行う中で、候補者の方に気をつけてほしいなと思うところを10個ほど取り上げてみたので、これからどこかの企業の書類選考を受けようとお考えの方は、参考にしてみてください。
なお、普段中途採用を多く担当しているため、内容としては中途採用向きになりますが、新卒採用でも流用できる場面は多いかと思います。
①履歴書の写真にこだわりがない
お金や手間がかかりますが、スーツを着た上で、写真屋さんに行ってプロカメラマンに撮影してもらってください。これ以外の選択肢はありません。
自分のスマホで自撮りしている、新卒時代に撮影した写真を中途採用でも使いまわしているなどなど何らかの形で手を抜いている候補者が少なくないです。
その時点で、志望度は低いのだなと判断せざるを得ません。
②選考書類に誤字脱字がある
手書きで選考書類を書かないといけない場合には、誤字脱字がないように予めパソコンなどで書きたい文章を固めておき、それをトレースし、手書きで書類を書いてください。
手書きでなくてもよい場合は、パソコンで書類を作成したほうが採用担当者がスムーズに文章を読めるでしょう。手書きでの文字に自信があり、字の綺麗さをアピールした方が選考に有利になる場合には、履歴書だけは手書きしても良いかもしれません。
また、誤字脱字のチェック方法として実際に声に出して文章を読み上げる方法が有効です。
これを何度も行い、精度の高い選考書類を目指しましょう。
ちなみに、誤字脱字の取り扱いで一番ひどいのは、手書きで書類を作成して、二重線で訂正している、修正ペンで訂正しているパターン。
こういうことを平気でやってくる人がいるので、本当にセンスないなと心の中で私は思っています。(何様やねん!w)
ちなみにこのブログは誤字脱字が多いです。申し訳ございません。
(ほんで、自分自身が多いんかい)
③学歴、職歴の年月に矛盾がある
履歴書、職務経歴書で学歴・職歴の年月が一致していなかったり、年齢から高校入学卒業、大学入学卒業を逆算した際に、学歴・職歴の年月が明らかに誤っていないか注意してください。
年月は数字で表記され、正誤がはっきりしますので、ここは絶対に間違えないでください。
自分の年齢の場合、いつ教育機関を入学し、卒業しているか確認することができるサイトがあります。以下に貼り付けておきますので、ご活用いただき、誤りのないようにしてください。
入学・卒業年度自動計算表【西暦・和暦】(年号早見表)
https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/rirekisho/07
④選考書類を使いまわしている
職務経歴書は文量が多く、使い回しがちで、一々作成するのは骨が折れますが、エントリーした企業や求人に合わせた内容で職務経歴書を作成してください。
複数の職種にエントリーしている場合は、希望職種によってアピールしないといけない内容は異なります。営業職に応募しているにも関わらず、事務職で役立つような経験を書かれていてもプラスになりませんし、「この方は選考書類を使いまわしている」と採用担当者に判断され、マイナス評価になってしまいます。
逆に、選考書類を読んでいて、その企業、その求人向きに書いてくれていることが分かれば、わざわざ書類を作ってくれているんだなと思い、志望度が高い方だと私は判断していますし、何よりその心意気がとても嬉しいです。
転職2.0 日本人のキャリアの新・ルール⑤職務経歴書が読みづらい
履歴書は形式が定まっている場合が多く、候補者によりあまり完成物に差はでません。
が、職務経歴書は形式が定まっておらず、書き手によってレイアウトや構成も様々です。
完成した職務経歴書が採用担当者にとって確認しづらい内容になっていないか確認が必要です。
最悪なのは、ただ文章で経歴がつらつらと書かれているような場合。
正直、読む気起きないです。
小説かよ!と思ってしまいます。
読みやすい職務経歴書を一から作成するのが難しい場合は、リクルートエージェントの書式を参考に作成してください。(以下、URL参照)
これが無難ですし、リクルート経由の転職の方が一番多く、この形式はむちゃくちゃ見慣れてますから、採用担当者も読みやすいと思います。
職務経歴書のサンプル(リクルートエージェント)
https://www.r-agent.com/resumenavi/sample/
⑥実績は何がどうすごいのかを分かりやすく
職務経歴書に営業実績や表彰歴などを記載する場合には、他の方と比較してどう優れいているのか、読み手が理解しやすいように記載してください。そうでないと採用担当者にその凄さが伝わらない場合があります。
特に営業職の方は、自身の営業成績を記載する場合が多いかと思いますが、以下のように記載すると良いです。
(悪い例)
2021年度 実績2,000万円 社長賞受賞
(良い例)
2021年度 売上高予算1,000万 実績2,000万 予算達成率200% 社長賞受賞※
※社長賞:全国の管理職未満の営業員が対象 予算達成率上位3名が受賞
このように書くと、実績が売上を指しているのか、利益を指しているのか分かりますし、与えられた予算の倍もできているのかということも分かります。さらにはどの分母のどういった集団の中で何を評価されて受賞しているのか、社長賞は上位何名の方が対象となるかも分かります。
これくらい丁寧に書いていただけると、むちゃくちゃ相手の立場を推し量れる方、ひいては顧客のニーズを汲み取れ営業のできる方だと分かります。素晴らしいです。大好きです。
⑦業界用語、社内用語、略語をそのまま使わない
業界用語、社内用語、略語これをそのまま履歴書や職務経歴書に記載される方が多いですが、正直何を指しているか分からない場面が時々あります。
先程、「⑥実績は何がどうすごいのかを分かりやすく」の項目で社長賞について注釈を付けて説明するような例を示しましたが、これも社内用語を説明している例となります。
他にも社内の役職や部署などもそのまま記載すると採用担当者が誤って理解する場合があるので、注釈を付けて説明したり、あるいは一般的な表現にあえて変更するなどを行う必要があります。
特にハイキャリアの方は、自分の経歴に自信を持っている場合が多く、業界用語、社内用語、略語を平気でばんばん使ってくる方が多いイメージがあります。
※ハイキャリアなので書類選考では落ちにくいとは思いますが!w
⑧職務経歴書は短すぎず、長すぎない
職務経歴書の内容が薄いのも問題ですが、長過ぎも問題です。
これは見解が別れるところですが、個人的には職務経歴書は2枚がベストだと思います。どんなに長くても3枚。
長過ぎるとこれまた読む気が起きませんし、職務経歴書のどの部分に重きが置かれているかも分かりづらいです。特に見てほしい経験や実績があるかと思いますが、長い職務経歴書を書いてしまうと目立たせたい箇所が埋もれてしまう恐れがあります。
また、職務経歴書が2枚だと紙で印刷した際も2アップで印刷すれば、1枚に収まり面接中も書類を確認しやすいです。
ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記 [ 遠藤 和 ]⑨的はずれな経歴を書かない
企業は予め採用したい経歴の方を設定しています。ペルソナと呼んでます。
ペルソナなんて具体的なものはなくても、イメージくらいは絶対にあります。
ちなみに採用におけるペルソナは以下のサイトをご覧いただきますと分かりやすいです。
https://hrnote.jp/contents/a-contents-3417/
なので、このペルソナを意識して職務経歴書を書くと、採用担当者は求めていた候補者が応募してきた!という印象になるでしょう。
問題は、このペルソナをいかにして把握するか。
①求人票のMUST要件、WANT要件を確認する
②転職エージェントに確認する
③採用担当者に直接聞いてみる
①について
こちらは求人票に必須経験、あったらなお良い経験が記載されているため、この経験を自分は持っているんだよと言うことをアピールできる職務経歴を書いてください。
仮にそんな経験持ってないということであれば、他の経験でそれに準ずるような経験をしていないか考え、書くべきです。
②について
転職エージェントは企業の採用担当者と直接あるいは間接的にやりとりを行っているため、エージェントに聞いてしまいましょう。
例えば、リクルートエージェントの場合、候補者と企業を分けて担当者を付けているため、自分の担当者にお願いして、企業担当者にペルソナや求める人物像、経験は何かを教えてもらいましょう。彼らも転職を成功させないと報酬が入ってきませんから、積極的に協力してくれると思います。
過去に書類選考を通過した方の経歴の特徴なんかを聞いてみても良いかもしれません。
そうして得た情報もとに職務経歴書を①の要領で書いていきましょう。
③について
これは聞き方を慎重にすべきです。いきなり代表電話に電話するなんかはやめてください。非常識なため、採用リスク高すぎの候補者と認定されます。
※ベンチャー企業なんかはこういうアプローチは好きかもしれませんw
大企業はご法度でしょう。
ジャストアイデアではありますが、無難な聞き方としてパッと思いついたのは以下の通りです。
・説明会が開催している企業であれば、実際に説明会に参加し質問してみる。
・採用担当のメールアドレスが会社ホームページや採用ホームページにあれば、メールで質問してみる。
・SNS上に採用担当者の採用アカウントがあり、候補者とのコミュニケーションを望んでいそうな場合は、SNS上で質問してみる。
聞き方に気をつけた上で、様々な方法を駆使して情報を集めてみてください。
それだけでも企業研究になります。
⑩選考書類はビジネス文書であることを忘れない
選考書類の出来そのものが、その方のビジネススキルを図ることのできる物差しとなります。
したがって、選考書類の形式面が不出来だと仕事の精度の低い方、OAスキルの低い方、パソコンの苦手な方(≒生産性の低い方)だと思われてしまいかねません。
なので、先に挙げたように誤字脱字も防ぐ必要がありますし、以下のような点にも注意を払うべきです。
・西暦、和暦を統一する
・改行、インデントを統一する
・ページ番号、段落番号のルールを守る
・半角、全角の使い分け
などなど…
「ビジネス文書 ルール」で検索すれば、より正確なルールが出てきますから、そちらをご確認ください。
ちなみに、管理部門の求人に応募予定の方はより一層気をつけてください。
管理部門は仕事柄、社内外に文書を作成し提出する頻度が多い部門になります。
したがって、管理部門の求人でこれらビジネス文書のルールを逸脱したような選考書類を作成すると、評価を著しく下げてしまうためより一層の注意が必要です。
まとめ
採用担当者に志望度を疑われないため、採用担当者がストレスフリーで書類を読んでもらうために選考書類を作成することが重要です。
選考書類は、企業や採用担当者へのラブレターだと思い、細心の注意を払い作成してください!